ご家族が新しい家を建てるとき、一番に求めたのは“広くて明るく、家事動線が短くて生活しやすい”ということ。同時に、お子さんたちは既に成人してそれぞれの世界を持っていることもあり、家族一人ひとりにとっての心地よさや使いやすさを追求した。それまでの家は事務所兼住居の築35年の3階建てで、1階と3階がお子さんたちの居室、2階がＬＤＫと水回りという複雑な生活動線。快適・便利とは言い難い環境で長く暮らしてきた。新しい住まいは敷地に十分な余裕があったため、家の中心に広い中庭を設けた“ロの字”型のレイアウトをした平屋に決定。中庭に面した玄関から左右に動線を分けて家族それぞれの居室を、玄関から中庭を挟んだ対面にＬＤＫと水回りを配置。屋根には勾配をつけてＬＤＫの天井を高くし、外観のデザインにも変化をつけている。窓の位置や大きさ、場所によって高さを変えた塀により、屋内からは外の様子がよく見えるのに、外からの視線には干渉されないというプライベートも確保した。広くて開放感にあふれていながらも家族の時間と空間をしっかり守る家は、快適と満足を住む人に提供してくれている。