結婚を機にマイホームを意識し始めたご夫婦。景色がよい場所を探していると、わずか２週間足らずで高台の土地が見つかりました。敷地からの眺めは理想そのもの。遠くには瀬戸内海が見え、中島まで見渡せます。職場へのアクセスもよく、十分な広さがあったため即決。この地での家づくりがスタートしました。
　美しい景色をいかに取り込むかを重視すると、自然と間取りの形が見えてきたといいます。南側に生活道路が走ることから、北側に大きな開口を設け、ダイニング、キッチン、テラスを一直線に配置。床のタイルもそろえ、景色を取り込むとともに内と外をつなげます。結婚式で滞在した沖縄のホテルの南国感をイメージしたというインテリアも相まって、リゾートライクな雰囲気に仕上がりました。
　ご夫婦ともに食べることが大好きだそうで、口をそろえて希望したのはキッチンを中心とした食を豊かにする空間。キッチンの両側に屋内ダイニングと屋外ダイニングとしてのテラスを配置し、どちらでも食事を楽しめるようにしました。おふたりが並んでも作業しやすいよう、シンクとコンロが別になったセパレートキッチンを採用。ゆとりのある広さで料理を作りつつ、お酒を飲みつつ、そんな食を楽しむ時間が過ごせそうです。
　邸内をよく見ると、吹き抜けや垂れ壁が緩やかな曲線を描いています。これは設計士の提案でした。「シャープでかっこいいというより、やわらかく丸いイメージ」との言葉通り、ご夫婦ともにやさしい笑顔が印象的。そんなおふたりの周りには自然と人が集まり、週末にはこの家でバーベキューや団らんを楽しむ、にぎやかな声が聞こえてきます。