「ふたりで散歩をしながら、いろいろな家を見ていたのですが、素敵だなって思う家はＨＡＳ（エイチ・エーエス）が手掛ける家だったんです。住宅関連の雑誌を見ても惹かれる住宅はすべてＨＡＳ。
しかも同じ建築家が担当されていたので、これはもうお願いしようと、他社へ見学に行くこともなく即決でした」と
ご夫婦。
　コンセプトは「美術館のような家」。シンプルさ、洗練された上質さ、風景美の要素を備えつつ、元気なお子さんふたりとともに暮らすライフスタイルに合わせて形にしていった。玄関から入ってキッチン、スタディコーナー、リビングルームへ誘われる間取りはつながりがある一体空間ながら、奥さまが料理をする空間とファミリーがくつろぐ空間は見えない境界線が存在しているよう。それは、梁見せ天井のデザインやガラスの間仕切り、建具の見せ方など細やかな工夫がなされているから。「きっちり分かれているわけではないのに、それぞれの空間が独立しているのが気に入っています。生活感を感じさせないリビングにしたかったので、玄関まわりにウォークインクローゼットや洗面所を配する間取りで解消されました」。何より印象に残っているのは、奥さまが一週間という時間をかけ、ご自身でペイント（壁の色付け）ができたこと。住まいへの愛着が増したのはもちろん、「そのとき、棟梁や水道・内装関係の職人さんなどいろんな方が作業に入ってくださっていたのですが、一緒に家づくりをしている一体感を味わえました」と感慨深げ。
　時間帯によって光が作り出す陰影や季節ごとに表情を変える風景すべてがアート、まさしく美術館のような住まいが完成した。