田園風景にどっしりとした風格を持って建つG邸。モダンなカラーリングもさることながら、深くて重厚感のある軒天が目を引く。さらに玄関の引き戸を開けると、まるでリビングのように広々とした土間にも驚かされる。「主人が農業を営んでいるので、広い土間は当初からの希望です。プランではちょっと広すぎるかな、と思ったのですが、実際にできてみると使い勝手も見た目にもいい。やはりプロの方の意見を聞いて正解でした」とG夫人。アーキテクツ･スタジオ･ジャパン（以下ASJ※）を通じて建築士と出会ったことが家づくり成功の大きな決め手となったと語る。
　以前は築60有余年の純日本家屋に住んでいたG夫妻。母屋、離れともに増改築を繰り返し、住みにくい状況だったという。「それでも私たちも母も、家にとても愛着があって、壊すのは忍びなくて改築でなんとかならないかと考えていました」。そんなとき、夫妻で訪れたのがASJのイベント。「そこで建築士の方に、いろいろと相談をさせてもらったんです」。実際に家を見てもらい、改築の方向でもプランニングしたが、結局は建て替えに。建築士との出会いから7ヶ月経て、正式に依頼することになった。
　「建築士の方が最初からとても話しやすかったので何でもワガママが言えました。向こうもダメなことはダメってハッキリ言ってくれたし、こうしたほうがいいという提案もすごくいただいたので、お互い深く話ができたように思います」とG夫妻。実際に建った家を見て「まさに想像以上。私たちの想いをちゃんと汲み取ってくれたことにも感動です」。梁、欄間など、使用できるものはすべて使用し、昔の家の面影を残す仕上がりにも満足しているようすだ。