長年、賃貸マンションで生活してきたご夫婦。「夜勤がある妻の仕事柄、エレベーターで上がって帰宅するのがとても辛そうだったんです。玄関を開けると、すぐに自分たちの空間が広がる持ち家だったら妻も随分ラクになるだろうなとマイホームづくりを考え始めました」とご主人。そんな思いを抱き、数年という長いスパンでウェブサイトを見たり、気になる工務店があれば実際に訪ねたり、徐々に動き出していったという。
　以前、製材関係の仕事をしていた経験から、もし自分が家を建てるならば自然、もしくは低温で乾燥させた無垢材でという思いがあったご主人。これらを実践している施工会社を探したところ、うずくぼ工房が候補に上がった。「私がこだわっていることを形にしてくれそうな期待感はありました。自社で大工を抱えているので何かあったときも即座に対応していただける。また、職人気質で裏表のない社長さんの人柄にも惹かれました」。
　夫婦ふたりで暮らすことをテーマに、将来を考慮した間取りが重要だった。変わりゆくスタイルにも対応できるよう玄関、浴室、トイレは広く設計、寝室のほど近くにトイレを配し、洗濯物を干せるウッドデッキは和室と寝室のどちらからも行き来できるなどスムーズな動線を重要視した。また、平屋とワンフロアでありながら奥さまが手芸を楽しめるワークスペースやパソコンスペースなど、趣味を楽しめるプライベート空間も生まれた。「自分たちが住む場所は、可能な限り快適に」。ご夫婦がともに互いを思い合うやさしさから生まれた住まいで、ゆるやかな暮らしが紡がれていく。