たくさんお話をしました。ご主人は縁側のある家で育ったこと、匠真くんは強いアレルギーを持っていること、朝はご主人がごはんを作り、奥さまが掃除するということ、「香川の家」のなかで好きな家をせーので言い合ったらｓｏｒａｉだったこと、家族は木の家が好きなこと…。
　そんな家に対する考えや暮らし方をＡ４用紙５枚にまとめ、ｓｏｒａｉの家を設計する東京の建築家集団ｒｅｎｇｏＤＭＳに託したご夫妻。「『自分たちはこういう暮らしがしたいし、しないといけないし、何より楽しみたい』という想いを包み隠さず伝えました」とご主人。住む人の想いに寄り添う設計を確かな技術で実現、機能性と美しさを備えた家が完成しました。
　構造体はヒノキ、肌に触れる部分はすべて杉。土鍋やザルなどの和道具が並ぶキッチンに立つ奥さまの表情も実に穏やか。「子どもために自然な食事を作っていると、道具も人の手が生み出すものに惹かれて…」。かつお節から取ったダシや土鍋ごはんのおいしさが体に染み入るように、毎日のていねいな暮らしがＯさん家族の人柄や関係性を作っているように思いました。　お宅訪問の２日後、お礼と伝えきれなかったという回答がメールで届きました。なかには質問のひとつ