祖母が他界して以来、一人暮らしをしていた祖父も高齢になり、ひとりにしておくことが心配になっていたというご主人。そこで祖父の家の敷地内に別棟を建て、Ｍさん家族が住むことに。建築はご主人が探した設計士さんに依頼しました。「はじめは祖父の家と連結したプランも提案されたのですが、祖父の家の南側の部屋が暗くなることを懸念して断念しました」とのこと。家としてつなぐのではなく、別の方法で家と家をつなぎたいと考え始めるようになりました。
　そこで出会ったのがTOYBOXです。何気なく訪れたTOYBOXの事務所で担当の櫻井さんに事情を説明すると、「こういうカタチがいいんじゃないですか？」と即興でイメージラフを描いてくれたのだとか。「思いつくままあれこれ伝えただけだったのですが、その想いをすぐに形にしてくれたことに驚きましたね」と、デザイン力に感動したそうです。「私たちのデザインは、お客さまの要望を聞き取り、その情報を整理することです」と担当の櫻井さん。こうして住む人の動線に配慮したコミュニケーションスペースが誕生したのです。
　TOYBOXが手がけた空間にはたくさんの役割が生まれました。２棟をつなぐという役割はもちろん、人が集まってバーベキューやＤＩＹを楽しんだりする場所として、用途はどんどん広がります。「父も近くに住んでいるのでときどき来ては一緒にＤＩＹをしています。物置きには材料や道具なんかも入っているんですよ」。室内だけでなく屋外をうまく使うことで、暮らしはますます楽しくなります。「今までなら子どもを連れて公園に行っていましたが、今はここで十分」と笑顔。住宅プラスアルファの空間は、人と人をつなぐ、コミュニケーションの場として活躍しています。