「前回お邪魔して１年半経っていますよね？」と改めて訊ねた理由は、玄関を開けた瞬間にフワッと漂ってきた清々しい木の香りが新築当時のままだったから。ちょうど１年前、「香川の家」の実例集に登場していただいたＦさんご夫妻。冬の余韻を残す３月から長い梅雨、猛暑の夏や厳冬に至るまで、すべての季節をこの家で過ごしたおふたりに住み心地をうかがうと、「“すごくイイ”のひと言に尽きます！」と、とびきりの笑顔とともに最高の賛辞が返ってきました。
　ご夫妻の憧れだった古民家風の木のぬくもりが伝わる家。住むごとにその実力と魅力をひしひしと感じているようで、「肌寒い春先や秋でも家全体がほんのりと温かく、夏は湿気を感じません。長年悩んでいた花粉症も今年はほとんど薬に頼ることなく改善されました」と奥さま。ご主人は「自然素材だから床に付いたキズも自分で直すことができますよ」と言いながら、冬本番に向けて薪ストーブのお手入れに精を出しています。
　「こんな“季節しごと”も楽しいですね」と、日々の暮らし方に変化が生まれてきたというご夫妻。「自然の力に支えられた家に住んで、たくさんのしあわせを感じるようになりました」。