「引渡しのとき、喋れなくなるぐらい号泣。それだけ想い入れの強い家だったんです」と言うのは、お施主さんではなく谷本建設担当の広川さん。センス抜群の奥さまとはプランやデザインについて、ご主人とは予算の相談や工事中には塗装も一緒に…と、家づくりを通して強い絆を育んでいきました。
　デッキをＬ字で囲んだ造りのＩ邸。１歳の晴くんを連れてリゾートはまだ難しいけれど、このデッキのおかげでバカンスのような開放感を味わえます。「タイル貼りだから掃除もしやすくて夏場は何回もバーベキューを楽しみました」と奥さま。ご主人もデッキでのんびりするのがマイブームと微笑みます。室内は、ただ単に既製品を取り付けるのではなく、オリジナルで造作した和室の障子やクロスの色選び、ニッチのデザインなど、細部にわたってビジョンとスタイルを持った奥さまの感性を反映。どこを取ってもおしゃれな空間は見学会でも大好評でした。
　また、デザインもさることながらＩ邸に穏やかな温かさを感じるのは、たくさんの人の想いが手仕事に込められているからかもしれません。外観をナチュラルに飾る杉の窓モールとウッドフェンスは色を統一して広川さん自ら着色。工事中もよく現場に顔を出していたご主人はリビングの梁のオイル塗装をお手伝い。「50年やっていて、こんなにいいお施主さんはなかなかいない」と言っていた棟梁からは小さな子ども椅子のプレゼントが。
　リビングで元気に遊ぶ晴くんを見つめるご夫妻と広川さん。そのまなざしは家族を守る家とともにやさしさにあふれていました。