まだ寒い３月。室内に入ると暖まった空気に包み込まれるような心地よさが迎えてくれました。断熱は和住宅が推奨しているデコスドライ工法によるもの。新聞紙を再生させたセルロースファイバーを用いた吹き付け式の断熱材で、身をもって気密性の高さを体感することができました。「冬は南からの日差しが部屋を暖めてくれたおかげで、暖房もほとんど使いませんでした」と奥さま。深い軒のあるＫ邸は冬場のひだまりを取り入れ、夏の日差しをカットするように軒の角度も計算されているのが特徴です。
　生活動線にも配慮されており、パントリーを経由してキッチンに行けるルートと、脱衣所から風呂場へとつながるルートの２ヵ所に勝手口を設置。暮らし方を考えたからこそできた間取りです。ほかにも収納場所も考えられており、研究されているのがよくわかります。
　奥さまに失敗しない家づくりのポイントを聞くと「たくさん本を見たり、見学会に行って情報をストックすることですかね」との答えが。デザインだけにとらわれずいろんな家を見ることで、間取りや動線など気づくことが多かったそうです。本物の素材を使った和の家はこれから少しずつ味わいを深めていきます。