「この梁を見てリフォームする気持ちになりました」。そう語る奥さまの視線の先にあるのは力強く立派な梁。築80年の母屋の建物構造を生かした空間は、安心感があり、やさしく包み込まれるような穏やかさに満ちています。お孫さんや親戚など、多くの人が集う本家ならではの懐の深さを感じさせます。
　その土地のものを材料とし、伝統技法で作られた古民家には、土や無垢材がよく似合う…と、新しい安らぎの住まいを作り出したのは和住宅。息子さんの新築住宅も依頼した、という話からも強い信頼関係がうかがえます。「家族の大切な思い出を味わいとして残し、新しい命を吹き込んでくれました。梁や柱など一本一本の形に合わせて手作業で施工する職人さんの技にも驚きました」。
　古民家の雰囲気を損なわないよう、美しい木目の白木を床に使い、珪藻土・ＭＰパウダーの塗り壁で癒やしの空間を演出。「珪藻土の効果で猛暑の夏も快適でした」と、ご夫妻もにっこり笑います。
　古民家を知り尽くす設計士と施工の要となる熟練の大工。頼もしいパートナーとの“想いが通った家づくり”は、４世代が集う住まいをいっそう輝かせていました。