「どんな家を建てるかではなく、どこで建てるか、を考えることからスタートしました」。建てたい家のスタイルが明確に決まっていたから、自分たちの理想を形にできる“腕と人柄のいい”工務店を探すことから始まったというＮさんの家づくり。ご夫妻が温めてきたマイホームのイメージはずばり〈カリフォルニアスタイル〉でした。
　青い空に映えるカバードポーチのある白い家は、奥さまがインターネットで目にした一軒のサーファーズハウス。そのアメリカンなルックスはふたりが好きな海外映画に出てくるワンシーンそのもの。すっかりその魅力のトリコになったそう。
　「絶対外せなかったのはラップサイディングの外壁と広いカバードポーチ。これを基本にリビングの壁板にペンキを塗ったり、上げ下げ窓を取り付けたり。デイベッドや木製ブラインドなどのインテリアでもカリフォルニアスタイルを盛り込みました」とご主人。そのこだわりは、専用のアプリをダウンロードして自分たちで間取りを考えたり、業務用のシーリングファンやブラインドインの玄関ドア、スイッチやコンセントに至るまで自ら探すほど。「ネットがなかったらこの家はできなかった」と笑うご夫妻。プロに任せる部分は任せて、想いを通したい部分は自分で動く。そうした柔軟な働きかけがあったから、テンポよく、楽しく、家づくりは進みました。
　これから始めるという外構は芝生を植え、アメリカンフェンスを取り付ける予定。「手間のかかる生活が始まりました」と語るご主人の表情はどこか楽しそう。ゆっくりと手をかけることでさらに深まる家への愛着。まるで西海岸のようにカラッとした秋晴れの空のもと、心地よい暮らしの息吹きが確かに奏でられていました。