ようこそ、森の映画館へ。一歩踏み入れると、足裏から無垢の木のやわらかい感触が伝わってきます。
　Ｆ邸は、さすが材木店が手がけた家というだけあって、木の使い方が豪快。木の性質を熟知した前川社長が、それぞれの特徴を活かし、適材適所に四国の森で育った杉やヒノキを使っています。「夏場は素足で過ごすのが最高に気持ち良かった」とご主人。リビングの床を足でなでると、一つひとつ表情の違う木目が足裏をマッサージしてくれるよう。これぞ木をふんだんに使ったＦ邸の醍醐味。毎日ふれる所にこそ本物を、というＦさんの
こだわりが垣間見えます。
　さて、Ｆ邸が「森の映画館」と言われる理由は、大きなホームシアターがあることと、家全体が四国の森の木を使っていることにあります。広さはＬＤＫを合わせると30畳あり、家族４人が広々とくつろげるスペースです。「遊びに来たお客さまも落ち着くと言ってくれて…」広さもさることながら、木の醸し出す風情が、人をリラックスさせるのでしょう。
　「この夏も２階のベランダが、ちょうどいいひさしになってくれて、涼しく快適でした」と奥さま。これからは庭も部屋の延長線として活用できるよう、芝生や木を植えました。来年の夏は、ベランダから緑のカーテンを作り、ゴーヤやアジサイなど、目でも楽しめる天然のすだれを設置予定。庭の緑は景観だけでなく、輻射熱を抑える効果や、さらには風をデザインする能力も。庭に植えた木が木陰をつくると、そこに気温差ができ、風
の流れや通り道が作られるそう。クリエイティブなエコ活動ですね。
　さて、今日も風のとおる森の映画館では、子どもたちのリクエスト映画が絶賛上映中です。