家の前に張り出したスカイデッキが印象的な外観。「今は子どもたちの遊び場として活躍しています」と奥さま。高低差を利用し、下を自転車置き場として使えるように設計しています。プライベートな屋外空間は開放感たっぷり。家にこんな場所があると大人もリフレッシュできそうですね。デッキは勝手口ともつながっており、わんぱくな三兄弟がどろんこになって帰ってきてもお風呂に直行できる間取りになっています。
　中を見せてもらうと室内にも設計の工夫がたくさん。脱衣所の隣には室内干し専用の部屋を作り、家事動線をシンプルにしています。また、すべてのドアを引き戸にして通風にも配慮されているほか、開閉により空間を仕切ることができるので、空間を多面的に活用できるのもポイント。ムダのない空間利用は、まさに設計のなせる技ですね。
　さらに、田向邸は見えないところにもこだわりが。基礎断熱を取り入れたほか、壁面はセルロースファイバーのデコスドライ工法を採用し、断熱性を高めました。「高性能な断熱材は防音効果もあるので幹線道路に近いお宅にはふさわしいんです」と金丸工務店の竹田さんも加えます。また、田向邸のＬＤＫ、洗面室、書斎には、現存する珪藻土のなかでもっとも高い調湿性能をもつ湯布珪藻土を使用。「住宅性能が高いほど初期投資はかかりますが、将来的な光熱費を抑えることができるので経済的。何より外気に左右されず快適な室内空間を保てると、家に守られているという気持ちも高まります」とご主人。その言葉どおり、家族を頑強に守り、快適さをもたらす高性能住宅が完成しました。そして最後に奥さまは「竹田さんの提案が的確だったこともいい家づくりにつながった」と提案力の高さを語ってくれました。