甲野さん家族は、「３人で集まって気持ちよく過ごせる、自然を感じられるような空間がほしい」と願い、数年前からご主人の実家の隣に家を建てようと計画していました。雑誌を見たり住宅展示場を訪ねたりしましたが、ピンと来る工務店に出会えなかったため、家づくりは先送りに…。そんなとき、建築関係の仕事をしている友人に「石田工務店、好きだと思うよ」とすすめられ、展示場に行ってみることに。木の香りのする室内は、寒い冬に訪ねたにも関わらず、空間全体がじんわり暖か。社長と直にしっかり話せることにも安心感があり、「ここで建てよう」とすぐに夫婦の意見が一致したそうです。
　でき上がった家は、柱や床にさまざまな種類の木を使っています。ＬＤＫの大黒柱は一尺角の屋久杉。「木材ストックの倉庫を見せてもらった時、ひと目見て気に入ったのが、たまたま屋久杉で…」と、照れながらもちょっと得意そうです。床材は節のないヒノキ。足当たりがやわらかく、裸足になりたい気持ちよさです。床材はほかにも、玄関がカリン、トイレは竹、２階はサクラ材と無垢材ばかりで、自然を感じる家を求めていた甲野家にぴったりの仕上がりになりました。
　家事のしやすい設備や間取りにもこだわりました。共働きのためふたりで立つことが多いキッチンはゆったり。雨を気にせず洗濯ができ、衣類ダンスを置いてそのまま収納もできる、物干し専用部屋を確保。手持ちの家具を採寸してそのまま入れられる収納空間も各所に配置しています。
　家族３人、木に守られた家で、のびやかな日々を送っています。