お子さんが生まれるまでには家を建てたいと思い描いていたご夫婦。そんなとき、タイミングよくご主人の実家の隣の土地を購入することができたそう。工務店は、製材の専門家であるご主人が、もともとつながりのあったクリエイトホームに頼もうと、以前より決めていたのだとか。
　そんなパートナーとの家づくりは、「ほぼお任せでした。僕たちが意見を言い過ぎると、住宅性能やデザインなど、すべてが崩れてしまいますから。プロに任せた方が絶対いい家ができると思います」と、ご主人。信頼関係のうえに完成した和モダンのこの家は、室内の居心地のよさはさる事ながら、外観も目を引く。とにかくかっこいいビルトインガレージは、見るものをはっと驚かせ、一方で、曲線美のある和風の庭が、行き交う人をさりげなく癒してくれる…大胆さと繊細さを併せ持つ住まいだ。
　とくに玄関脇にある坪庭は、緑苔と暖色系の砂利のコントラストがきれいで、川の流れを連想させる。「たくさん日光の当たる場所ではないので苔を植えています。維持管理がしやすいように石を敷き、見下ろす視線を意識して空間づくりをしています」と語るのは、この庭を担当した大村さん。中心には落葉樹を植えていて、幹だけでもおもしろみのある樹形を選んでいるのだとか。また、裏庭とつながる通路をスロープにしたのも、ご主人の幼少期、ここを走り抜けていたという思い出を残す形にしたためだそう。
　家の中もまた、清々しい大空間が広がる。吹き抜けから注ぐ光が、リビングでくつろぐ家族を照らし、回遊性のある家事動線は、楽しい暮らしを助けているのが見て取れるこちらの住まい。いつまでも一家の笑い声が響き渡っているだろう。