メタリックな外観と１階の黒を基調としたＬＤＫを見ると、クールでかっこいい印象を受けますが、実はＫ邸で一番に注目したいのは、家族がほっこりと憩える間取りです。
　これまでアパートに暮らしていたＫさんご家族。長男が中学に入学するのを機に、家づくりをスタートさせました。そこで気を付けたのが、家族の距離感です。「アパートと違い、一軒家は広くて快適ですが、子どもたちが自分の部屋にこもることのないよう工夫しました」と奥さま。１階はＬＤＫや水まわりなど共有スペースを配置し、２階に子ども部屋や寝室、書斎などプライベート空間を作りました。
　驚くことに、Ｋ邸の子ども部屋に勉強机はありません。２階のフリースペースと呼ばれるオープンなエリアに机を設置し、勉強エリアにしたのです。アパート暮らしで学んだこと。それは親子の距離感でした。子どもの勉強を親が見てあげられる時間は大切。住まいが広くなっても続けていきたいと奥さまは語ってくれました。
　また、Ｋ邸は家がコの字型になっていて、真ん中に中庭があります。家の中央部に光が入り、各部屋へ自然光を導くことができるのです。採光の面でも考え抜かれた間取りです。
　家は家族が帰り着く場所。そして、家族が語り合い、寄り添うことのできる場所。それが大切な家の形なのでしょう。外観は角ばったＫ邸ですが、間取りは区切りすぎない、家族間のコミュニケーションを大切にしたやわらかい家。クールな印象とは裏腹に、家族の愛情に満ちたほっこりとやさしいお宅でした。