天然木の玄関扉を開くと、まるで雑貨屋さんかカフェのような空間が広がります。賃貸住宅からここに引っ越して約１年。キラキラとした新築の雰囲気とはひと味違い、家具や雑貨が自然となじむ、とても落ち着いた印象の仕上がりです。
　「新婚当時から、ペニーワイズの椅子やテレビ台、食器棚などパイン材の家具が好きで使っていました。内覧会でパイン材を使った家に出会い、こんな家なら建てたいねってことになったんです。その家と同じ設計士さんにデザインしていただきました」と奥さま。
　フロアは廊下を含め全室、幅広のパイン材を使用。壁は漆喰の塗り壁、ポイントになる扉はオーダーメイドの無垢材と、天然素材をふんだんに使った空間に愛着のある家具を配置。ご主人が見つけてきたシンプルな照明が照らす空間に、仲のいい雑貨屋さんのアドバイスを元に吟味して選んだ、雑貨、ポスター、オブジェ、道具がだんだんと加わり、ご夫婦らしさが素敵に演出されています。
　家具は新たに買いそろえることなく、空間や既存の家具に合わせて造作したものがほとんど。キッチンとリビングを仕切る棚、ファミリースペースの本棚やテーブルなどは、ほんの一例です。靴や洋服のコレクションが多いご主人の要望で、玄関奥には広々としたシューズクローク、２階の主寝室には４畳ものウォークインクローゼットと、収納スペースもたっぷり。ご夫婦とデザイナーとがしっかりコミュニケーションをとりながら造り上げた家だと、そこにいるだけで伝わってきます。