「アゲハ蝶がいるよ」とリビングから縁側に飛び出すお子さんたち。その様子を見守る奥さまの穏やかな表情から、思い描いた健やかな暮らしがしっかりと形づくられているのが分かります。家を建てる前から「緑に囲まれ、自然に寄り添った暮らしがしたい」と考えていたご夫婦。希望の校区内で見つけた土地は、船型の変形地だったといいます。
　「北側道路の変形地ですが、南に川があることで隣家が迫って建つことがなく、庭も駐車スペースもしっかり確保できる広さ。目の前の竹林や遠くの山並みを望む感じも気に入って、この風景を生かした家づくりがしたいと思いました」。
　心身ともにくつろげる場所になるようにとご夫婦がリクエストしたのは“天然素材の質感に癒され、リラックスできる住まい”。時間とともに味わいが深まる上質な素材を使い、腕のいい大工が丁寧に仕上げた空間は、その願いを見事に具現化。美しい木目の勾配天井や木枠のサッシはシンプルな居住空間に映え、計算された採光と風の通り道が、圧迫感を感じない居心地のよさにつながっています。
　家族が集う広いリビングはもちろん、機能的な造作棚を備えたオープンキッチンや廊下を利用したスタディコーナーなど、日々の暮らしやすさも考え抜かれた住まい。洗面所とセパレートした脱衣室がサンルームの役割を果たすのもいいアイデアです。
　心に響く暮らしのシーンを思い描いた家づくり。庭でのにぎやかな昆虫採集も、朝焼けの景色を楽しむコーヒータイムもこの家がくれた特別な時間。自然に囲まれ家族と笑顔で過ごすひとときは、贅沢であり、最高にしあわせです。