薪棚と家庭菜園のある広い庭を通り、木の香りが心地よいリビングに入ると、重厚感のある薪ストーブが存在感を放っていました。ここが住宅地だということを忘れてしまうほど、自然味あふれる住まいです。
　キャンプや釣りなどのアウトドアが好きなご主人が作りたかったのは“昔ながらのおじいちゃん、おばあちゃんちのような木の家”。伝統的な家づくりができる工務店を求めて数十社を訪れ、ｓｏｒａｉに決めました。自身も建築の勉強をしていたご主人は「無垢材だけで建てられるのがｓｏｒａｉの魅力。大工さんが材木を刻むところから見られたし、いい出会いでしたね」と満足ぶりを語ります。
　無垢材と珪藻土の塗り壁に包まれた平屋は、間取りもいたってシンプル。横長の広いキッチンや、窓の位置に配慮した洗面所など、水回りの使いやすさを満たしたコンパクトで質のいい住まいです。昔ながらの家らしく、天井は部屋の端なら女性でも手が届くほどの高さに抑え、ドアなどの建具もあえて低めに設計。重心を下げることで落ち着く空間になったと、住み始めてから実感しているそうです。「家族に合わせて高さや寸法を細かく調整してくれたので、自分たちの生活にとても合っていると思います」。
　この家は新築ながらまだまだ未完成。床も壁も暮らしていくうちに変化していきます。「子どもも猫もいるので傷が付くけれど、それも味わい。数年後にはどうなっているか楽しみです」。そう語るご主人の好きな言葉は“古美（ふるび）る”。年月を重ねたものならではの美しさ、という意味です。その理想を目指し、変化を楽しみながら日々の暮らしを紡いでいきます。