家の第一印象を決める玄関は、おもてなしの心を感じる優美な演出がたっぷり。上がり框を大きなアーチ型にし、靴を脱ぐスペースを広く確保。これならお友だちがたくさん来ても、靴の置き場に困ることはありません。壁側には間接照明を取り入れた飾り棚を配し、まるでホテルのロビーのような雰囲気に。そして一枚ガラスの向こうには、シマトネリコをメインツリーにした中庭が現れました。ご主人の希望でもあった中庭は、玄関のほかダイニングエリアや北側の家事室に面し、視覚的な癒し効果とともに採光にも配慮されているのがわかります。
　リビングに入ると、掃き出し窓の向こうには大きなバルコニーが。「外でも中でもない空間を作りたかったんです」とご主人。イタリア製の大判タイルを敷き詰めたバルコニーは、日常を豊かに彩ってくれそうです。例えばテーブルセットを出して休日にブランチを楽しんだり、夏になれば、バーベキューや夕涼みにも活用できます。アイデアしだいで暮らし方の幅も広がりますね。
　Ｍさんが家づくりのパートナーに選んだのは谷本建設。「打ち合わせは綿密にしました。作っていく過程も楽しみながらね」と奥さま。これまで住んでいた家の不便をどうすれば新しい家に反映できるか検討したといいます。例えば採光。南側だけの光では暗い部屋ができてしまうため、中庭や天窓などを設け光の道を確保。また、動線についてもライフスタイルに合った間取りを実現。洗濯は夜済ませるという奥さまは、浴室・洗面とキッチンを切り離し、浴室から寝室までの動線を優先しました。住む人の生活リズムから導き出した動線は理にかなった形を生み出したのです。
　暮らしにフィットした家は、その機能と美しさに守られていました。