2人のお子さんに恵まれ、賃貸住宅ではいずれ手狭になるだろうと、家族で歩む人生設計のなかにマイホーム建築を組み込んだのは、約10年前のこと。「街で見かける『いいな』と思う家が、すべてＨＡＳ（エイチ・エーエス）の建築家とつくる家だった」と奥さま。そのシンプルでスタイリッシュな佇まいを見れば見るほど、自分たちの終の住処の設計と建築をお気に入りの建築家とＨＡＳに委ねたいとの想いが募ったのだそう。思い描く暮らしが明確だからこそ、土地探しにもこだわったご夫婦。ＨＡＳからの情報提供で土地が決まったのが２０１８年初頭。そこから綿密な打ち合わせを重ね、２０１９年4月に着工したときには、ご夫婦とＨＡＳの担当者ともに感慨深さで胸がいっぱいに。
　ご夫婦が一番に希望したのは、最大限に土地と空間を活用すること。容積率をクリアしながら、暮らしやすさと雰囲気を兼ね備えることが最重要ポイントにあげられた。「子どもたちとの日常の過ごし方も、大きなテーマ」とご夫婦は語る。キッチン横のスタディスペースは、その想いを具現化した最たるもの。奥さまがキッチンに立ちながら、すぐそばでお子さんが過ごしていても、ガラスの仕切りのおかげでお互いの邪魔にはならない。1階と2階が同じ吹き抜け部分に面して空間を共有していることも然り。家のどこにいても、その絶妙な独立感とつながりが心地よい。
　「ニッチやスキップフロアの採用など、パーツでしかお伝えしなかったことが、見事にひとつの大きな空間として成り立っていることに感動した」とご主人。仕切りひとつで空間の使い方を変えられる工夫も盛り込まれ、住まいが家族とともに成長していくさまが楽しみだ。