観葉植物のアカシア、オーストラリアのオージープランツなど緑あふれる空間は「植物とともに暮らす」という言葉がしっくりきます。実家で暮らしていたご家族でしたが、次第に自分たちの家に対するあこがれが強くなり、土地探しから始めました。「生活の基盤を変えたくなくて以前の住まいからそう離れてないところに希望通りの土地を見つけました。それから1年くらいだったかな。スケジュール的に余裕があったので時間をかけて多くの展示場をまわりました」。そんななか依頼を決めたのが建築工房ＯＺ．。「出会いはＳＮＳがきっかけですが、入念なヒアリングからやりたいことをどんどん引き出してくれるという印象でした。窓の大きさから柱の長さ、間接照明を使った空間の見せ方まで家に対する熱意が伝わってきました」。とはいえ、希望していることを言葉にするのは難しいときもあったようで、自分たちが住みやすいのはどんな間取りだろうとご主人自ら図面を描き、それをもとに着々と構想を練っていったそうです。テーマとなったのは、緑と光を感じる家。奥さまが長い年月をかけて選りすぐったグリーンはさまざまな空間に自然と溶け込み、デッキから屋外へ一体化したような広々とした庭ではプールをしたり、友人家族を呼んで食事をしたり風や太陽の光を感じながら開放感を楽しめます。またコンパクトな動線も叶え、1階でほぼ家事が完結するようキッチンを中心に水まわりを集約させ効率アップにつなげました。動線上の柱を利用し収納を計画したことで片付けや取り出しをスムーズにしたのもポイント。空間も、道具も、植物も美しい、ご夫婦の世界観がそこには凝縮されています。