太陽を迎えるように、南に向いた片流れの屋根が美しいＴ邸。やさしい木目に包まれた平屋の住まいです。
　玄関に入ると、目に飛び込むのがまっすぐ延びる廊下。その先に明るく広がるのが、ミニマムなデザインのＬＤＫです。ダウンライトだけを採用したフラットな天井のおかげで、広いＬＤＫがさらに大きく感じられます。おもしろいのは、同じ空間に畳スペースを設けていること。和室として独立させてもいい十分な広さですが、段差を設けるだけで仕切りはなし。「ソファでくつろぐのもいいけど、子どもと一緒にゴロゴロできる場所がほしかった」というご主人のアイデアで生まれました。その思惑どおり、歩き始めたばかりの息子さんも畳の上がお気に入り。段差も気にせず元気に遊んでいます。一方、奥さまがこだわったのはモダンなナチュラル感。ほかの人からは見えないキッチンの内側や、バスルームの壁まで木目を選びました。洗面、寝室など、部屋によって色目の違う木を使うことで上手に雰囲気を変えています。
　家族３人、家での時間のほとんどをＬＤＫで過ごすというＴさん一家。光、風、料理の香り、笑い声。大事なものがすべてここに集まっています。