「佐野さんとの家づくりはとても楽しかったので、決めなければいけない項目がだんだんと減っていくのが寂しくて。今はロス状態です」と笑うご主人。担当建築士の佐野さんがたまたま高校の同級生、しかも好きな建築デザインの話で意気投合したこともあり、二人三脚の家づくりは、とても楽しいものになったと振り返ります。
　ご主人が希望したのは、中庭を囲んだコの字型の家。外からの視線を気にせず、カーテンなしで暮らしたかったそう。「今年の夏は、子どもと遊んだり、机と椅子を出してアウトドア気分を味わったりと、中庭を満喫しました」とニッコリ。
　天井から床までの高さ、採光を担う窓の位置、間接照明の使い方、壁や天井に使う素材をふたりで徹底的に検証し、空間ごとに異なる居心地が楽しめるようになっているのもＴ邸の見どころ。空間同士はゆるやかに繋がっており、家族の気配がきちんと感じられるのも、子育て世代のＴさんにとってうれしいポイントです。
　取材の最後には「どこが一番好きだとか決められないくらい、この家を気に入っている」と話してくれたご主人。そのキラキラと輝く瞳から、この家に対する高い満足度がうかがえました。