「ああー、気持ちいい！」
むくむくと入道雲が空高くわき上がる夏の暑い午後。私たちを歓迎してくれたのは、玄関からリビングに抜ける一陣の風でした。
　「この夏、クーラーをつけたのは２～３回ぐらい。外から涼しい風が入ると『いい風だね～』とか言って、家族の会話も増えました」と、笑うご主人。おそろいのタンクトップと短パンで一緒に笑う３兄弟の姿にも、自然と目尻が下がります。
　家族の健康や暮らし心地を考えて家づくりを進めたのは「受験以上に勉強したかも…」という奥さま。子どもたちと図書館に通い、家づくりの本を調べ、さらに読みたいものはお取り寄せ（おかげで図書館には住宅関連誌が充実したそう）。気に入ったテイストや浮かんだアイデアを集め、パートナーとして選んだ金丸工務店の藤田社長にぶつけました。
　「“好きなことを思い切りやろう”というのがＭさんとの合言葉。奥さん自身がこだわりの塊だから、一緒に家づくりをしてとても楽しかった。引き渡しの前夜はしみじみ写真を撮りましたよ」と、語る藤田社長。
　確かにコックピットをイメージしたキッチンや、縦の空間を生かしたスキップフロアの和室、３兄弟の成長に合わせて区切れる子ども部屋、遊び心満載のトイレなど、子どもはもちろん、大人までウキウキするようなアイデアがぎっしり。しかもどれもがセンス抜群で、子どもたちに対する愛情もしっかり凝縮されています。
　この想いを知ってか知らずか、バタバタドドドッと家じゅうを走りまくる兄弟。真っ青な夏空に向かって大きく手を広げているような平屋の住まいは、今日も子どもたちの元気をしっかり受け止めます。