カフェのような心地いい空間で、自分たちらしい暮らし方を―。そんな、誰もが憧れる家づくりを叶えたＫさん宅にお邪魔しました。剥き出しの梁がダイナミックに走る現し仕上げの天井は、その構造自体がデザインになる秀逸な設計。勾配にすることで平屋とは思えない開放感があります。隣接する和室は、梁や格子の直線とは対照的な緩やかな曲線を描く踏み台を介してリビングと一体化。白い壁とダークな木目の扉が見せる対比も美しく、デザインと心地よさの見事な調和が感じられます。
　「見える場所にはできるだけ木を使いたかった」というご主人。天然木ならではの風合いはそれだけで癒しになり、間接照明やダウンライトにこだわることで時間の流れとともに変化する陰影が楽しめます。ときにはキッチンのカウンターで、ときにはフロアにあぐらをかいて…。自分好みに落とした灯りの下で晩酌するのが、Ｋ邸カフェのくつろぎ方です。一方で、主寝室は照明やインテリアにご夫妻の遊び心を盛り込み、子ども部屋は３人の子どもたちそれぞれが好きな色の壁紙を選ぶなどプライベート空間には個性をプラス。家族みんなの趣味と、ルーム建築工房ならではの細やかな演出が生きた住まいです。