車がないと不便な地域に住んでいたご一家。将来的なことも考えて、飲食店が多く生活圏内にアレコレそろっている高知市中心街に3階建てのマイホームを建てました。長年住宅に携わる仕事をしてきたご主人と、住宅設備メーカーに勤務していた奥さんが、昔ながらの家づくりのいいところと、最近のトレンドを取り入れたこだわりの光る一軒家です。
　ガレージから玄関を抜けるとそこはご主人専用の趣味の部屋。本格的なマシーンが並ぶトレーニングルームがあり、釣り道具や自転車の出し入れがしやすい土間も設けました。居住空間とご主人の寝室は2階に配し、奥さんとお子さんの部屋はそれぞれ3階に。子育てももうすぐひと段落するので、家族で過ごす時間を大切にしながら、お互いのプライベートも尊重する間取りです。将来を見据えて設置した家庭用エレベーターは、重たいものを箱買いした時など今から活躍しているそうです。
　そんな大人のための家でこだわったのが動線と照明。各自の家事の負担を減らすため、最小限の動線で無駄のない空間づくりを目指しました。使いやすいL字型キッチンに、掃除の手間を減らす空中収納、ランドリールームで完結する洗濯物は色分けしたハンガーで干して各自で回収と合理的。また、やわらかな光のなかで生活がしたいとメインライトを置かずにすべて間接照明を採用。メーカーと大工と何度も打ち合わせをし、時にはデモライトを用いて高さや深さの細やかなテストを行ったそうです。さらに床材にはオークを使用し、明るい木の温もりとやさしい光に包まれた空間が誕生しました。街に住みながら喧騒から離れられる落ち着きのある家で新たなライフステージが始まります。