屋島を望む見晴らしのいい場所で、空を見上げながら気持ち良さそうに佇むＭ邸。塗り壁や杉の羽目板など自然素材の質感を生かしたシンプルな外観は、歳月を経ても飽きのこない美しさが息づいています。
　「生活のなかに季節を感じる家」をテーマにご夫妻がイノセンスと描いたのは、内と外がのびやかにつながる暮らし。とくに印象的なのは、空間を大胆に切り取り季節の移ろいを室内に導く２つのオープンスペースです。「ＬＤＫから続く箱庭デッキは人目を気にせず過ごせる場所。２階のバルコニーは眺めがよくて高松まつりの花火も見える特等席。どちらも自然の気配と広がりを感じる気持ちいい空間です。暮らし心地の良さまで考えられているのは、建築士が作る家ならではだと思います」。
　奥さまが気に入っているのは、機能的な家事動線やおしゃれなデザイン。「行き止まりのない回遊動線や洗面室と脱衣所を分けた間取りは使ってみるとすごく便利。狙っていたグラフテクトのキッチンが標準仕様だったのもラッキーでした」。どの空間からも自然や景色を身近に感じ、自由な発想で過ごせる住まい。さりげない日常もスペシャルに楽しむ感覚は、小さなお子さんの無垢な心を豊かに育みます。