建築士森本さんの設計と人柄に魅了され、イノセンス建築設計事務所との家づくりを始めたというご夫婦。家事をしやすい家にするため、キッチンを起点とした間取りを希望したそうです。「前に住んでいた家はダイニングとキッチンが区切られていて、家族の顔も見えないし、食事の準備もしづらく不満がありました」と奥さま。そこでリビングで過ごす家族の様子が見渡せる場所にキッチンを配置しつつ、各部屋への移動距離が最短で済む動線が計画されました。キッチンの高さを10㎝下げたことで、空間全体の圧迫感もありません。「キッチンから庭が眺められて、とても癒されるんですよ」と微笑む奥さま。
　もう一つこだわったのは、無駄がない間取り。実はこちらのお宅、広々と感じられますが25坪ありません。廊下をできる限り省き、どこにいても家族の繋がりが感じられる設計を依頼したそうです。内と外との境界線を曖昧にするウッドデッキを設けることで、部屋を広く見せつつ、家族の居場所を増やす工夫もなされています。
　取材後に「こうやって改めて見ると、本当にいい家になりました」と満面の笑みで話していたご主人。この家への満足度は、聞くまでもありませんでした。